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「CLEANMEAT 培養肉が世界を変える」を読んでみた

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こんにちは!!
今日は2020年1月14日に出版されたCLEANMEAT 培養肉が世界を変える(著:ポール・シャピロ)を読んだのでその内容から培養肉について書きたいと思います。

この本の内容としては培養肉の説明の本というよりも、様々な人がいずれ限界を迎える工業的な畜産を止めるために行動をしている話や流れを淡々と続けている内容となっています。
そして、現在の培養肉業界を引っ張っている方々の名前や企業がたくさん出てきて、読みやすい本ではありませんでした。笑

なので、今回は細かい内容ではなく、現在どのような動きがあるのか、培養肉のメリットは何なのかという所のみにフォーカスしていきたいと思います。

また、この本は最初の序章を「サピエンス全史」の著者であるユヴァル・ノア・ハラリさんが書いています!!
ユヴァルさんは工業的畜産に対して人類史上最悪の犯罪と書いており、歴史的な観点からも培養肉に興味を示しているようです!!
このユヴァルさん「サピエンス全史」もすごく面白いのでぜひ読んでいただきたいです。

培養肉はいつからできているのか

世界初は2013年

世界初の培養肉は培養肉ハンバーグとして2013年にロンドンで発表され、値段は1つのパティで33万ドル、その際事前に焼き加減を確認するために2つ作成したため、合計約75万ドルがかかった超高級ハンバーグでした。
この2つのパティのうち片方はその場で試食され、試食した記者の方の感想としてはかなり実際のハンバーグには近かったものの筋肉のみで構成され、脂肪や血液が含まれていないことから少し違和感のある状態だったようです。

そして、試食されなかった方は現在、標本としてオランダの「国立ブールハーフェ科学博物館」に展示されています。

現在の培養肉

最近では2016年に他の会社が培養ターキーナゲット(培養の鶏肉)を発表しましたが、それでも1万9000ドルのお値段でスーパーで売ってる100g50円とかの鶏肉と比べると圧倒的に高いです。
しかし、これに対して本書では33万ドルに比べればタダも同然とかなり強気な姿勢を見せています。

培養肉のメリット

効率がいい

世界で最も飼育されている鳥から1kgの肉を採取するには9kgの穀物(餌)が必要となります。そしてこの鶏肉が畜産の中でも最も効率がいいものなのです。(つまり牛肉などはもっと消費する)
これを本書ではスパゲッティ1皿食べるのに9皿を余計に頼んで捨てることと同じと極端に表現されていました。ですが、非常にわかりやすい例えだと僕は感じました。

培養肉は必要な資源はエネルギーにして45%、土地の面積で99%、水量で96%少なくて済む、つまり世界の水不足、そして本来餌に使う穀物(トウモロコシや大豆)を食糧不足の発展途上国に回せば食料問題も解決できます。

安全面

この本のタイトルにあるように培養肉はクリーンミートと呼ばれるほど、清潔です。
これは実際にオーガニッ豚肉、通常の豚肉、メンフィス・ミート(培養肉の会社、カリフォルニア州にある)の豚肉ではそれぞれから抽出した検体に前二つはたくさんの細菌が確認されたのに対して培養肉には全く発見されませんでした。その結果通常の肉よりも最近による傷みを減らすことができるので賞味期限がはるかに長くすることができます。実際に2014年の調査ではスーパーマーケットの鶏むね肉の97%にはカンピロバクター菌や大腸菌などの有害菌が確認されており、これらは鳥の糞便によって汚染されているものでした。
この結果から、地球だけでなく自分自身の環境にもとてもいいという事がわかります!!

技術の応用

この培養肉の技術は何も食肉だけでなく他の分野でも応用されています。
それが「衣類」です。
実際、牛からつくるレザーは牛一頭の経済価値のあたり10%を占めるもので、そのためにわざわざ時間をかけて牛一頭を育てるのは効率が悪いとされていました。
また、レザーを加工する際の「皮なめし」の工程によって発生する有害物質によって下水が汚染され環境問題につながっています。また、その作業をしている人の健康被害も起こっており、皮なめし大国のインドやバングラデシュでは非常に問題になっています。
そういった面で培養レザーによって必要な分牛の革を効率よく作成する事でこれだけ環境にとってプラスであり、コストも抑えることができるのです。

現在の問題点

まだまだ高い

2013年に33万ドルと、大富豪しか買えないような値段(大富豪でも買うのだろうか笑)でしたが、2016年に他の会社がわずか2週間で作れる培養ターキーナゲットを発表しましたがそれでも1万9000ドルのお値段でまだまだスーパーのような1パック数百円で買える世界は遠いというのが現状であり、最大の課題になっています。

培養肉に対して懐疑的に見られている点

本来人間はわからないもの、新しいものに対して懐疑的に見たり、マイナスな目線で見てしまいます。
培養肉もその例に乗っかり、培養という技術に対してかなり懐疑的に現在見られています
そのため、初めて試食会が行われたロンドンでは培養肉の事を「フランケンミート」と馬鹿にするような呼び方もあったそうです。
ですが、考えてもらいたいのですが市販のウインナーに何が入っているかわかりますか??
あれは腸詰として何かの肉をミンチにして詰めているわけで僕らはあまり知らずにウインナーという形をしているから食べているだけだと思います。
そう考えたらこの本を読んで理解した人からすると、これだけ様々な利点がある培養肉を食べない理由がないと僕は思います!(もちろんもっと安くなってから笑)

最後に

last
今回は培養肉について少しでも理解してくれる人が増えればいいなと思い、この投稿をしてみました。まだ今はスーパーで気軽に購入できる状態ではありませんが、今後値段が下がることや、理解者が増えてくることでスマホが復旧したみたいに急速にはやっている世界が来たらいいなと思っています。

この記事書いてみての感想はまとめるのってホント難しい笑中田敦彦さん以上だなと思いました笑

本書ではもっとそれぞれの人にフォーカスした内容で流れの中で培養肉ができていくので、ぜひ実際に書籍を購入して、読んでもらいたいです。

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